プロローグ “あるモーリス在住青年の日記より”
白翼の月 十二日
先日から続いている、連続殺人事件は(悲しい事に)未だ解決の様子を見せていない。最近は 人々の話題と言えばもっぱらこの話題だ。
どうにも、犠牲者たちは年齢性別もバラバラで、特に共通点などもないらしい。また、殺害方法が一定していないことから、複数犯では、との見方も出ている
犯人は魔性だという噂が飛び交っているが、真相は定かではない……。
白翼の月 十七日
また新しい犠牲者が出てしまった。一体犯人の目的は何なのだろう?
最近では『魔性を追放しろ』などという過激な意見も出てきている。その急先鋒に立っている のはモーリス官僚のオットー・アナハイム。彼はガチガチの皇帝派としても有名だ。
これに対し、氏の双子の弟で歴史学者のクラウス・アナハイムは真っ向から対立している。
しかし、現状ではオットーのほうが優勢のようだ。ユミヤ第二皇女も彼の支持者だとか……。
白翼の月 二十五日
オットー・アナハイムが議会で魔性追放論を提言。会議は大荒れになった模様。『最強の魔性』と名高く、レクトール帝の信任も厚いというジェイコブ・ザ・ギムレットは相変わ らず沈黙を保っている。
もっとも、彼は『ヒューライ茶キノコ健康法』の実践に忙しいとのもっぱらの噂だが……。
白翼の月 末日
自分なりに調べてみたところ、どうも事件の被害者にはある共通点があることが判明した。
彼らは例外なく『神族と人の混血』であったのだ。被害者の中には神族も含まれていたが、何代か のうちに人の血が混ざっている。
そして、何代も続くいわゆる『純血の神族』には未だ被害者が出ていないのだ。
これが何を意味するのか解らない。だが……。
×××
青年がそこまで書き終えた時、がしゃん、と窓の割れる音が背後でした。
振り返るよりも早く、激しい衝撃が彼を吹き飛ばし、青年は血とインクを撒き散らしながら床に転がった。急激に薄れていく意識の中、彼はそれでも必死に手を伸ばし――。
翌朝、発見された青年――ほぼ即死のようだった――は、モーリス領内における十人目の犠牲者と して認定されることとなる。
冷たく、固くなった彼の手には、しっかりと純白の羽根が握られていた。
■たとえばこんなアクション
・魔性追放論に賛成/反対して行動
・クラウスと魔性について考える
・事件について調査/実は私も犯人だ
■登場NPC
・ジェイコブ・ザ・ギムレット(D)
・ユミヤ・モーリス(D)
・オットー・アナハイム&クラウス・アナハイム(オリジナル)
ユミヤはあまり大きく扱わない予定です。あと、展開によってはゼファン・エラノス(E)も出る かもしれません。
■マスターより
本編DブランチのNPCたちを巻き込みつつ、連続殺人事件と『魔性とは何か』の二点を軸に お届け予定です。本編DやEの情勢を知らなくても問題ない……はず。
傾向としてはシリアス、且つダークですが、ギャグにも対処しますのでご安心を。悪役・ バトル希望の方も遠慮無くどうぞ。
ただし、ラブを求めたら撲殺よ♪
それではどうぞよろしくお願い致します。